地点|トカトントンと|太宰治×三浦基

『トカトントン』について

初出・昭和22年1月『群像』

「何か物事に感激し、奮い立とうとすると、どこからとも無く、幽かに、トカトントンとあの金槌の音が聞えて来て、とたんに私はきょろりとなり、 〜中略〜 ばからしい気持になるのです…」主人公の青年はその悩みを書簡という形で某作家に打ち明ける。
そして最後にその作家は彼に返信をし助言を与える。幻聴に苦しむ主人公に救いのこたえは与えられるのか? 太宰治の短編小説であり、幻聴に悩まされる男の悲喜劇が描かれる。
─── パンローリング社のオーディオブック紹介より ───

太宰治について

[太宰治] 本名・津島修治/小説家/青森県出身/東京帝大中退
明治42年6月19日生まれ昭和23年6月13日没

大地主の生まれ。青森中時代から作家を志望し、弘前高を経て東大入学後、井伏鱒二に師事する。東大在学中は共産主義運動に関係したが脱退、自殺未遂事件を起こした。
昭和8年第一作「思ひ出」に続いて「魚服記」を発表、その後「猿面冠者」「ロマネスク」「道化の花」などを発表。昭和10年、佐藤春夫らの日本浪曼派に参加。同年都新聞の入社試験に落ちて自殺を図る。また「逆行」が第一回の芥川賞次席になり、作家としての地位を固める。昭和11年、作品集「晩年」を刊行するが、同年芥川賞の選に洩れ再び自殺未遂。昭和14年、結婚。以後「富嶽百景」「走れメロス」「新ハムレット」「津軽」「お伽草紙」などを発表し、15年には「女生徒」で透谷文学賞を受賞。戦後22年に代表作となった長編小説「斜陽」や「人間失格」「ヴィヨンの妻」などを相次いで発表したが、23年6月遺稿「グッド・バイ」を残して山崎富栄と共に玉川上水で入水自殺を遂げた。無頼作家として人気があり、命日の桜桃忌には多くのファンが集まる。
─── 日外アソシエーツ刊『新訂作家・小説家人名事典』より ───

公演情報

KAAT 神奈川芸術劇場がおくる、地点との共同制作作品第2弾。
NIPPON文学シリーズの一作品として、太宰治の小説『トカトントン』と『斜陽』を中心に構成し、舞台化します。

公演期間
2012.2.9(木) – 2.14(火)
会場
大スタジオ
公演スケジュール
2.9(木)19:30 *プレビュー公演
2.10(金)19:30
2.11(土)15:00
2.12(日)15:00
2.13(月)19:30 *プレトークあり(19:00より20分間予定)
2.14(火)15:00

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